2023年 活動報告

今年もlove.futbol Japanならびに1% FOOTBALL CLUBをご支援・応援いただきありがとうございました。

日本での「子どもサッカー新学期応援事業」は3年目を迎えました。
今年ある小学生の感想が印象に残っています。「ぼくは、春からサッカーを始める事ができて、うれしかったです。サッカー選手になる第1歩をふみだせたと思います。これからも、練習して第2歩目を進みたいです」という6ヶ月後の声です。

思えば、今年は、子どもの体験格差問題がニュースで報道されることが多く、世間的にも注目が集まり、さまざまな団体が活動を開始した1年でした。スポーツ分野での活動はまだ多いとは言えませんが、サッカーをはじめスポーツは、往々にして子どもたちに夢や憧れを与えてくれます。けれども一方では、夢を見つけてもお金のことや格差によってその入り口に立つことができない子どもたちがいます。冒頭の感想を書いてくれた彼もまたそうだったのではと思います。夢を与えることで終わらせず、夢に歩む機会をつくることも非常に重要な大人の役割です。

開始当初よりこの3年間は、スポーツに対する機会格差の活動が少ない状況を踏まえ、特に丁寧に活動をすること、活動としての社会的信頼を高めていけるよう取り組んできました。これまで繰り返し発信していますが、スポーツ・文化活動は趣味や娯楽として捉えられる傾向が強いため、子どものスポーツ支援活動は、現状では不要不急の活動として捉えられます。その状況において、私たちの活動が効果を生み出すことができない、意味が薄い、やはりスポーツより他の支援が大事だよね、と思われてしまっては、競技を問わず新たな担い手が活動を開始することを邪魔してしまう危機感を持っていました。でも、もしサッカー界で前例をつくれたら、他のスポーツでも協力者が現れるはず。そのために、課題を見える化する、スポーツ界と共有する、子どもたちに活動が必要であることの社会認知を高める、その役目を果たす気概を持って取り組んできた3年間だったように思います。今の段階でこの目的にどこまで貢献できているかと言えば未達と言わざるえないのですが、自分たちがしていること、できていることに少しばかりの自信を持てるようになりました。

今年は36都道府県の子どもたち319人(のべ507人)を支援することができました。第1歩をふみだした彼のようにサッカーに夢を持った子どもたちが夢の入り口から一歩進む、そのお手伝いを皆さんと一緒に実施できたことを嬉しく思います。

子どもたち家族にとって、寄付としての支援もさることながら、応援してくれる仲間がいることの繋がりが大きな力になっています。

応援をしていただいたすべての方に、心より御礼を申し上げます。

これからも経済的な貧困や社会格差を理由に、サッカーをしたくてもできない子どもたちの「環境」を変える活動を続けていきます。
今後とも一層のご支援を宜しくお願い申し上げます。

実現できたこと(サマリー)

参画選手とコミュニティ

・個人サポーター: 435人
・サッカー選手:  20名
・サッカーコミュニティ: 17組

活動分野別

01. 機会の提供

・奨励金5万円の給付 140人
・用具寄贈 200人

9歳 / 広島)

「ぼくはサッカーがすきです。ともだちみたいに、もっと上手くなりたいので頑張ります。サッカーを続けさせてくれてありがとうございます」

(11歳 /大阪)
「ぼくは、春からサッカーを始める事ができて、うれしかったです。サッカー選手になる第1歩をふみだせたと思います。これからも、練習して第2歩目を進みたいです」


(14歳 /宮城)
「期待に応えたいと思いました。自分の家は他の家と違ってお母さん1人で家計を支えています。そんな大変な中やらせてもらっているサッカーです。出来るだけ良い結果を残してお母さんを喜ばせるため練習に励みたいです」

(18歳 /千葉)
「3年間支援をして頂き、無事高校卒業までサッカーを続けることができました。今は受験の為、部活を引退し、サッカーは一時的にしていませんが、この先進学しても何かしらの形でサッカーは続けたいと思っています。また来年度からは少しずつですが、ラブフットボールジャパンを通して、サッカーが大好きな子供達に支援をしたいと思います。自分が助けて頂いたように、今度は同じようにサッカーがしたい子供達を応援したいです。支援をして頂いた時の嬉しい気持ちを沢山の人にも感じて欲しいです。そうやって支援の輪が広がっていけば、最高だなと思います」

02. 心のサポート

・サッカー選手とオンライン交流 40人
・サッカー選手とサッカー交流 79人

(9歳 /福岡)
「参加する前は、不安だったけど、サガン鳥栖の選手に会えて、嬉しかったです。みんな、カッコよくて、優しくて、サッカーも、優しく教えてくれて、嬉しかったです。将来、サガン鳥栖に入りたい!とお母さんに言いました!いつか、試合を観に行けるように、お母さんにお願いしました。これからも、サッカー練習を、がんばります!」」


(14歳 /埼玉)
「このラブフットボールを通して色々な幅広い年齢の人と一緒に楽しくサッカーが出来て凄く楽しかったです。1年に何年か会える友達もできて良かったです。自分より小さい子が沢山いる中でみんな楽しめていたので良かったです。生で家長選手のシュートを見たり胸トラップを見たり沢山勉強になる事がありましたこの経験を活かして試合で活躍したいです。プロサッカー選手と一緒にサッカー出来て楽しかったです」

(保護者 /埼玉)

「普段、練習があり夜のオンライン交流にも、なかなか参加できなくなってきたので、このような機会があり嬉しかったです。選手たちの盛り上げ方、子供の楽しませ方が本当に温かく、1人親だからこそ逆に体験できた貴重な時間だったと思いました。普段、応援もサポートも全て1人で行い、しんどい時、辛くなる時も多々ありますが、また頑張ろうと思えました。ありがとうございました。多くの方がこの活動を知り、恩恵にあずかれたり、サポートする立場になれたら素晴らしいと思いました。
P.S. 息子が帰路で、将来、プロになったらラブフットボールで選手側として参加したいと話していました」

03. 連携

・試合招待 48人

 ー6月20日 日本代表 vs ペルー代表
 ー6月24日 FC東京 vs 名古屋グランパス
 ー8月12日 横浜F・マリノス vs ガンバ大阪

(12歳 /東京)
「プロサッカー選手のプレーを生でみることができてうれしかったし、すごく熱狂しました。ゴールを入れるのをみれて、協力してて、まわりをよくみてプレーできるようにしたいとおもいました。スタミナをつけなきゃいけないと思います」

(14歳 /兵庫)
「私は初めてスタジアムで生で試合観戦をしました。目の前にはサムライブルー、⽇本代表の選手がいました。試合が始まる前からドキドキとワクワクの混ざった気持ちでした。モノレールでパナソニックスタジアムに行きましたがユニホームを着たサポーターの人がたくさんいて、みんながおんなじ⽅向に歩いているだけなのにそれだけで嬉しくなりました。中に⼊るとそれはいつもテレビで見る光景でした。テンションマックス、家族みんながウキウキして、席を探しました。はじまる前のカウントダウン、あの場所に居ないと感じたり体感したりができないなんとも言えない経験でした。思い返したらまた行きたい気持ちになります。テレビで見ているよりも時間があっという間でした。」

04. 調査

アンケート調査報告書

この報告書では、「サッカーをしたくてもできない子ども」に関する課題、必要とする支援内容、サッカーの希望をまとめています。


弊会に支援を求める子ども人数は、コロナ禍や物価高も影響し、この2年間で3倍に増加し、今年初めて300人を超えました。現状、子どもたちを取り巻く課題は、経済面、相談環境、社会の理解の課題などが挙げられます。受益世帯のうち60%が世帯年収が200万円以下、35%が子どもがサッカーをするために借入をしたことがあると回答するなど深刻な状況が確認されています。また、28%の子どもが家計を心配しサッカーを辞めると保護者に伝えた経験がある一方、53%の世帯が「相談をしたくても相手がいない」状況にあり、頼ることのできる相手や居場所を必要とされています。一般的に、スポーツは贅沢や趣味として見られやすいため、子どもの機会格差問題においてスポーツの支援は、教育や食等の生活インフラの支援に比べて優先度が下がる傾向にあります。そのため、当事者は困っていても声を上げづらい状況が続いており、社会のなかで子どもに対するスポーツ機会の「理解」を高める必要性があります。

支援を求める規模は拡大しさまざまな課題が顕在化する一方で、日本サッカー界に支援体制は十分に整っていません。子どもたちを支える環境づくりに向けた仲間と対応が今まさに必要とされています。

ご支援のお願い

来年、ひとりでも多くの子どもたちを応援するため、選手と共に協力いただけるサポーターを募集しています。

現在435人。月額500円の寄付から参加いただけます。

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